PURPOSE

今の世の中は，自分だけの欲求や利益や快適性ばかりが追求され，
家庭でも学校でも職場でも，人間ならではの優しい心や哀れむ心を
積極的に育もうとはしない．
その為か家庭内暴力や児童虐待，陰湿なイジメや自殺，
残忍で反社会的な犯罪が日常化し，
誰もが簡単に被害者にも加害者にも陥りやすくなっている．
こんな危険性に常に怯えながら生きていかなくてはならない
世の中にしてしまったのは我々人間自身であるが，
再び安全で快適な世の中にできるのもまた人間だけである．
我々は，宇宙の誕生以来おびただしい数の偶然の積み重ねで
奇跡的に人間として生まれて来れたのだから，
この事実を再認識し，人間だけが持てる優しい心や哀れむ心を失わず，
試練の連続であるこの人生を，力強く生きていきたい．
この作品はたった５分間の物語であるが，そんな願いが込められている．

SYNOPSIS

若いＯＬが，寝坊したため慌てて会社に向かっていると
路肩に捨てられている木のロボットを見つける．
彼女はロボットを哀れに思い，急いでいるのにもかかわらず助けてあげる．
別の日，彼女が大事な皿を客先に運んでいると，アクシデントで
その皿を割ってしまい，死にたくなってしまう．
意気消沈して歩いていると，あるギャラリーで例のロボットに偶然再会する．
彼女はロボットに泣き言をいいながら眠ってしまう．
そしてロボットに励まされる夢を見る．
彼女は目を覚まし，夢であったと悟るが，目の前にいる木のロボットにふと魂を感じてしまう．
少しだけ元気になり，明日に向かって歩いていこうと決意する．

CAST
 

STAFF
 

SCHEDULE

クランクイン：12月下旬/1999
クランクアップ：12月下旬/1999
完成：02/21/2000

LOCATION
 

アウトドア・シーン	表参道で撮影しました．
インドア・シーン	表参道で撮影しました．

FORMAT
 

撮影メディア	35mm (映画用)
撮影デバイス	ARRIFLEX II
上映メディア	35mmプリント
上映色	カラー
上映時間	5min
アスペクト比	1.85 : 1 (Vista)
サウンド	Optical, Monaural

SHOWING

上映履歴
　　・IMAGICA第一試写室(2000)
　　・第16回あきる野映画祭
　　・福井インディーズ映画祭
　　・フィルムラヴァーズフェスタ2002 at 東京国際フォーラム(2002，主催：富士フィルム・報映産業)
　　・第１回日の出ショートフィルムフェスティバル
　　・自主映画撮影所　35mm短篇映画上映会(08/28/2004)