Keep to make movies

updated on 03/24/2009







京都国際学生映画祭2003のオフィシャルパンフレット用に
提出した原稿です.



「映画制作をこれからも続けること について」

学生時代一緒に映画を作っていた君は,卒業すると映像とはまったく無関係な
堅気な会社に就職してしまった.

君は毎朝満員電車で出勤し,山のようなメールや書類に目を通し,
ウエから与えられた仕事を効率的に処理し,延々と続く退屈な会議に出席し,
時には顧客に頭を下げ,大してトキメキも感動もない日々を送っている.
収入はまぁ安定しているらしい.
結婚して,子供作って,マンション買って・・・.
幸せの典型のようなごく普通の平穏な人生.

でももう少し人生にヒネリがあってもいいんじゃないか.
俺らが一番エキサイトしていたあの撮影の日々を思い出して欲しい.
台本に書かれた文字を映像化するために,
泥と汗にまみれ,やぶ蚊に刺され,警備員の目にヒヤヒヤしながら
撮影していたあの夏の日のことを.
あんな思いはネクタイ締めた今の会社生活の中ではきっと経験できないんじゃないか.

君も昔言ってたよな「映画は自由だ」と.
そう,一般常識や慣習やトレンドなんて関係ない.
自分が表現したいことを自由に表現するだけさ.
自分の脳の中の眠ってる創造エンジンをフル稼働して,
ちっぽけだけど自分の今の思いや情熱や怒りを地球に残してみる.
他人のために,そして自分のために.
人間を,人生を描く映画制作という行為.
これほど面白いことを君は忘れないで欲しい.



written by Katsumi Nakane

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